caffeine-de-diary’s blog

趣味のあれこれについてつぶやきます

学術出版への漠然とした思い

どうもお久しぶりです。

留学への見通しが全く立たず辟易しています。

 

ところで先日とうとう学術出版の老舗である創文社が解散されました。

創文社の全書籍が絶版免れる 講談社がオンデマンド形式で出版へ:東京新聞 TOKYO Web

おそらく所謂るアジアを学んでいる人にとっては親しんでいた出版社だと思います。

僕自身も何冊か持っていますし、いつかはここで本を出したいと思っている研究者もいたと聞いております。

ただ、その値段ですよね。

アーカイブで保存しているので無くなることはないかと思いますが、いかんせん高い。

このリンク先を見ていただければわかるかと思いますが、一番安くて5千円台、高い物だと一万円後半となっているわけです。僕らのような値段感覚が麻痺しているような人間からすればべつにどうってことないですが、一時期話題になった某漫画村のように今ではただで本が読めて当たり前と思う人も多いという現状があります。

そのような中で、この値段設定で大丈夫なのか、と思う人も多いでしょう。

なぜこの値段設定でいいのか、またこの値段になってしまうのか。

結局出版が安くできるのは、洋服と同じで多く印刷しないと安くならないという現状があります。

言い方を変えれば、需要のない本は高くしないと利益が出ない。

そしてそのためには在庫をそこまで多くしないように数を絞らざるを得ない、という悪循環に陥ってしまっているのです。

加えて学術書は良くも悪くも大学図書館が買ってくれますから、少し高くても昔は問題なかったといえます。しかし、結局は本の予算が削られ、買われなくなってしまった以上、このような形では難しいのが現状でしょう。

一つ例を上げると、僕の学部時代の師匠が本を出されました。Cinii booksで所蔵図書館を調べてみると、42館のみヒットしました。

では日本には大学が何校あるのでしょうか?

調べてみると、どうやら786校(平成29年度)あるようです。つまり約19分の1の大学にしか所蔵されていないということになります。師匠は科研費で出版をされていますが、おそらく300部ほどしか刷られていないと僕は踏んでいます。見方を変えれば学術書は出せば出すほど赤字ということになっているという残念な形になっています。

アメリカなどは大学の出版社で専門書を出している例がありますが、今後のことを思うと、日本でもその形以外では出すのは厳しくなっていくかと思います。

 

僕自身学術に身を置くものとして、いつか本としてまとめれれば良いなと思ったりします。

ただ現状、学術書を出版するには科研費を取らないと厳しいというものもあるし、引き受けてくれる出版社も少ないという現状があります。

日本の出版制度が再販制度など色々ありますが、それを見直す機会も来ているのではと思います。