caffeine-de-diary’s blog

趣味のあれこれについてつぶやきます

香港の今後についての超主観的な考え

こんにちは。

香港のデモが収束する気配を全く見せません。

jp.reuters.com

jp.reuters.com

両方ともロイターからの引用ですが、どちらも矛を収める気配が全くありません。むしろどんどん泥沼化していっています。

ではこのような状況の中、香港、更には中国との関係はどうなっていくのでしょうか。僕は周りに中国人の友人が多くいます。彼らと話した内容を踏まえて少し考えて思います。

 

 

 1.香港ってそもそもどのような立ち位置なのか

 教科書を見れば分かるレベルですが、改めておさらいを。香港は現在中華人民共和国の特別行政府という立ち位置です。つまり中国という国の中に組み込まれて入るけども、独自の政治機構を持つ、ということですね。そのため言葉も異なります。中国の公用語はご存知中国語、特に北京方言なのですが、香港は違います。英語と広東語です。広東語と中国語は全く別物と考えてください。

通貨も香港ドルで中国の通貨の元とは違います。金融の中心でもあり、富裕層が多く住んでいます。

なぜこのような事が起きたかといえばイギリスの領土だったものを中国に返還したからなんですね。1997年に返還したので割と最近までイギリスだったわけです。資本主義の国から社会主義の国へ引き渡されたものですからさあ大変。色々ごたつきますが、中英連合声明を採択して特別行政府という形での引き渡しで妥協したわけです。

そういう経緯もあり、中国政府もあまりとやかく口出しができないわけです。その結果、中国では使えないツイッターフェイスブックも普通に使えます。僕も中国へ行く時は香港で発行されたSIMカードを買って使っています。

ただし、2047年には特別行政府は廃止する、と中国は言ってますので、今後どうなるかはわかりませんね。

 

2.中国人から見た香港人

さてここから周りの友達からの意見を基に構成します。

まず中国の人からみた香港人の印象です。

 ・プライドが高い。

・金持ち

・中国語が全くできない。

・大陸人を見下してくる。

まぁ悪いイメージばかりですね。香港人の友達にいわせれば政府が信用できない、みたいなことをいうのですが。

特にプライドが高い、というのがよく聞きますね。イギリスの土地であったからこそのプライドの高さだと思います。あと彼らは案外英語ができないようです。広東語しかできない人も多いみたいですね。

「お金持ち」というのもムカつくとのことです。まぁ中国の南沿岸部、特に浙江省なんかは金持ちが多いのでその延長だと思いますが。ただ香港は土地が小さい分土地代ですとか生活費は高いんですよね。そこである程度裕福な暮らしをしていくためにはお金がないと難しいですから。

見下す、ということなのですが、何も彼らは大陸人だけを見下しているわけではありません。台湾の人も見下しているんですね。つまり中国という中では自分たちこそが先進的な人々だと思っているわけです。名誉白人とでもいうのでしょうが、先進国に近いものを感じているわけです。だいたいイギリス時代のおこぼれなんですが。

このように大陸の人たちから見て香港の人というのはムカつく存在なわけですね。ところでそもそもなんであのような暴動が起きたのでしょうか?

きっかけとなった「逃亡犯条例」とは何なのでしょうか? 

 

3.そもそも「逃亡犯条例」とは?

この条例についてすごく簡単にいってしまえば次の形になります。

 

中国、台湾で犯罪を犯した人がバレる前に香港に入った。

           ↓

犯罪が発覚、しかし引き渡し条約が無いから中国台湾へ移送できない。

           ↓

なら条約を作って引き渡せるようにしよう!!!

 

という形なんですね。きっかけは香港人カップルの男が台湾デート中に彼女を殺した事件です。ググれば出てきます。

ただし、この時、台湾と香港は犯罪者引き渡し条約を結んでいなかったのです。それを解決しようとした条例だったわけです。これだけを見ると、別に変な法案ではないですね。日本の場合ならば、国外逃亡した犯人を現地で捕まえて、日本に移送して裁く、というイメージでいいわけです。

ただそこは中国、事情が違うわけですね。多くの人がこの法案でとあることを考えるわけです。

「もしかしたら、何もしていないのに中国へ連れて行かれるかもしれない。」

ということを。

なぜこの考えになるかといえば、2015年に起きた銅鑼湾書店という書店の関係者が中国当局に拘束されてしまったからなんですね。この書店は中国政府に批判的な意見を扱う書籍を出版していたので、当局から目をつけられていたのでしょう。このようなことがあったため、余計反発したわけです。

逆に香港から見ても、この条例は良いわけです。大陸人が香港で犯罪を犯して大陸に逃げ帰っても、香港につれてきて裁くことができるわけですから。

結局の所政府への不信感、という言い方だけで片付けられてしまいますが、このような事情があるわけです。

 

4.今後の香港の立ち位置

各国政府は自分たちは資本主義陣営なのでこぞって香港を擁護しています。しかし、空港の麻痺等の現状を見て、今後はどのような動きになるのでしょうか。

例えば、先程少し話した金融です。香港は金融で発展してきたと言っても過言ではありません。アジアを代表する証券取引所もあります。しかし、シンガポールがその位置を奪おうという動きもあります。

wedge.ismedia.jp

つまり中国政府から離れたところに向かうということです。こう考えるならば、香港の優位性は今後低下してもおかしくありません。

次にハブ空港としての役割です。

香港空港は現在ハブ空港としての役割を盤石にしています。中国からの乗り継ぎは北京、上海、香港で行われています。

news.yahoo.co.jp

その座を深セン空港が奪おうとしている、という記事もあります。

diamond.jp

客から見れば、優先順位はいかに早く、正確にフライトできるかということだけです。

香港はこれまで乗り継ぎの便利さ、乗り入れ便の多さで優位に立ってきました。しかし今のデモを見ていてどう思うのでしょうか。

ツイッター等を見ているとデモの様子を見て称賛している人が多いです。もちろん僕もあそこまでできるのはすごいと思います。ただ手放しで称賛すべきことなのでしょうか。別に僕は中国政府の味方ではありません。ただし、口では称賛していてもリスクをどうしても考えるのが人間です。先程の金融もそうですが、香港はリスクがどうしてもある場所です。おそらく2047年問題のときも同様の暴動が起きるでしょう。そのようにかんがえるならば、少しでもリスクが低い場所で乗り継ぎをしたいと考えるのが普通です。香港空港の地位の低下は今後避けられないでしょう。

 

5.まとめ 

香港のデモは今後暫く続くと思いますが、上記のように考えてみると、これは香港の首をじわじわと締めているといっても過言ではありません。香港が大陸に優位に立っていた地位が今後低下してゆくならば、それこそ中国政府の思うツボでしょう。

割と香港の人も自業自得な面もあるわけです。うまく大陸と付き合っていればこのようにはならなかったわけです。向こうの提案を全てはねのけ香港イズナンバーワンとでも考えていたのでしょうか。

今のデモはもう目的を見失った暴動に近いものがあります。末期の学生運動みたいなものです。

改めて香港は自分の置かれた状況を感が手見る必要があるかと思います。すぐ横に世界経済的にも無視できない巨大な国があるわけです。キレイ事ばかりでは、むしろ身を滅ぼすということを考えねばなりません。